執筆者:牟田 元気(むた もとき)
様々なことを調べて経験することが好きで
ライター6年目になります。
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小学校1年生の娘が「のっこり」ってなんて意味?
と聞いてきたので、ひょっこりとかのっそりとかの間違いかな
と思い教科書を見てみるとしっかりと「のっこり」と書いてあったので、
これはなんて意味なんだろうか?どこかの方言なのか?
気になったのでとことん調べてみました。
のっこりが出てくる教科書は光村図書の「かざぐるま」という
教科書の中にある「あさのおひさま」という詩で、
『あさの おひさま
おおきいな
のっこり うみから
おきだした』
とあります。
参照:光村図書かざぐるま「あさのおひさま」より
この使い方から「ひょっこり」や「のそのそ」というような
イメージがありますが、調べてみると、
小学館の国語大辞典では、
「のっこり(副詞)のんきに落ち着いているさまを表す語」
とあります。
講談社学術文庫の江戸語の辞典では、
「のっこり(副詞)のんきで無頓着なさな。のほほんと」
と書いてあります。
引用:小学館「国語大辞典」 講談社学術文庫「江戸語の辞典」
あさのおひさまをこれに当てはめると、
「のんきに海から起きだした」「落ち着いた様子で海から起きだした」
というような感じになります。
のっこりが出てくる教科書は光村図書の「かざぐるま」という
教科書の中にある「あさのおひさま」という詩で
これは神沢利子さんという方が書かれた童謡詩集の一篇なのですが、
神沢さんは小さい頃北海道で暮らしていたそうです。
北海道だけで使われていたのかというとそうではなく関東などでも使われていたようです。
1970年代には全国的に使われていたようですし、この頃の絵本にたびたび「のっこり」という言葉が登場していたようなので、
落ち着いたさまというような意味での「のっこり」は
今はあまり使われていないようですが、標準語と言えるでしょう。
ちなみに、「のっこり」の「っこり」は、接尾辞にあたり
「ゆっくり」あるいは「ゆったり大きなさま」を添える表現になるそうで、
落ち着いたさまというような意味での「のっこり」と書いたのは
別の意味が存在するからです。
今でも北海道や青森、宮城、岩手の一部などでは「のっこり」という言葉が使われており
この場合の意味は「たくさん」や「いっぱい」という意味になるそうです。
のっこり=のっこし ともいうようで、この使い方になると北海道・東北地方の方言ということになります。
のんきに、のほほんとという意味があるので、
「のっこりついていく」「のっこりと現れた」「のっこり紅茶を飲む」
というように使えますね。
なお、北海道などの使い方になると
「のっこりりんご持ってきたよ」「魚がのっこり釣れました」というような使い方になるようです。
「のっこり」は、落ち着いたさまというような使い方では
1970年代にはよく使われていた言葉で、絵本にもたびたび登場していたため
標準語と言えます。
のっこり=たくさん という意味になると東北地方や北海道限定で使用されるため
方言になるということが言えます。
初めて「のっこり」を聞いたとき読み間違いかなとも思いましたが、
調べてみるとこんな使い方がされているんだなと勉強になりました。